相続登記のやり方|まず結論(5ステップの全体像)
「相続登記をしなければいけないのは分かったけれど、実際に何から手をつければいいのか分からない」——相続登記の義務化をきっかけに、自分で申請してみようと考える方が増えています。
結論からお伝えすると、相続登記(遺産分割協議による場合)は、法務局が示す次の5つのステップで進めます。
相続登記は「①戸籍の証明書の取得→②遺産分割協議・協議書の作成→③登記申請書の作成→④登記申請書の提出→⑤登記完了」の5ステップ。提出は窓口・郵送・オンラインの3通りから選べます。
- 申請先は不動産の所在地を管轄する法務局
- 登記完了後に交付される登記完了証・登記識別情報通知書は再発行できないため受け取り方法に注意
- 複雑なケースでは司法書士への依頼も選択肢
本記事では、この5ステップをそれぞれ詳しく解説し、つまずきやすいポイントと対処法、費用の目安、自分でやるか司法書士に頼むかの判断基準まで紹介します。断りがない限り、本記事の内容は2026年8月時点の制度に基づいています。必要書類の詳しい一覧は、以下の記事で解説しています。
STEP1:戸籍の証明書を取得する(相続開始の証明と相続人の特定)
最初のステップは、戸籍の証明書(戸除籍謄本等)を取得することです。この書類には2つの役割があります。1つは「相続が開始したこと(不動産の所有者が死亡した事実)」を証明すること、もう1つは「法定相続人を特定すること(他に相続人がいないことを証明すること)」です(法務局|登記手続ハンドブック(遺産分割協議編)、2026年8月11日確認)。
被相続人(亡くなった方)が本籍地を転々としている場合は、複数の市区町村役場に請求する必要があり、収集に時間がかかることがあります。必要書類の具体的な内容や取得先は、以下の記事で詳しく解説しています。
あわせて読みたい相続登記に必要な書類|ケース別チェックリストと取り寄せ方相続登記の必要書類を、法定相続・遺産分割協議・遺言の3ケース別に整理。戸籍謄本・住民票・固定資産評価証明書などの取得先と、有効期限の有無を法務局の一次情報に基づいて解説します。
💬 「戸籍謄本を1通取ればいいと思っていた」という誤解も少なくありません。出生から死亡までの戸籍謄本一式が必要になるため、最初のステップから時間がかかることを見込んでおきましょう。
戸籍の証明書は「相続開始の証明」と「相続人の特定」の2つの役割を持つ最重要書類。本籍地を転々としている場合は収集に時間がかかります。
STEP2:遺産分割協議・協議書の作成
相続人が複数いて、法定相続分どおりではなく話し合いで相続割合を決める場合は、相続人全員で遺産分割協議を行い、その内容を「遺産分割協議書」という書面にまとめます。これが2つ目のステップです。
遺産分割協議書には、誰がどの不動産を相続するのかを、登記事項証明書の記載に沿って正確に特定して記載する必要があります。記載が不正確だと、後の登記申請の段階で訂正(補正)を求められることがあるため、慎重に作成しましょう。
話し合いがなかなかまとまらず、期限が迫っている場合は、遺産分割協議をせずに民法上の割合のまま登記する「法定相続分による登記」という方法もあります。詳しくは以下の記事で解説しています。
相続人全員での話し合いの内容を遺産分割協議書として書面化します。不動産の特定は登記事項証明書の記載どおり正確に。
STEP3:登記申請書を作成する
3つ目のステップは、法務局(登記所)に提出する登記申請書の作成です。登記申請書には、様式が定められており、法務局のホームページからケース別(法定相続・遺産分割・遺言など)の様式と記載例をダウンロードできます(法務局|不動産登記の申請書様式について、2026年8月11日確認)。
登記申請書には、登記原因証明情報(戸籍謄本一式や遺産分割協議書など)、住所証明情報(住民票など)といった添付書類も併せて必要です。添付書類の原本は、原本還付の手続きを行えば手元に戻してもらうことができます。
登記申請書は法務局サイトの様式・記載例を使って作成します。添付書類(登記原因証明情報・住所証明情報)も忘れずに準備しましょう。
STEP4:登記申請書を提出する(窓口・郵送・オンライン)
作成した登記申請書は、次の3つの方法のいずれかで、不動産の所在地を管轄する法務局(登記所)に提出します(法務局|登記手続ハンドブック(遺産分割協議編)、2026年8月11日確認)。
- 窓口に持参する:管轄の法務局の窓口に直接提出する方法
- 郵送する:登記申請書と添付書類を管轄の法務局宛てに郵送する方法
- オンラインで申請する:法務省の「登記・供託オンライン申請システム」を使い、登記申請書を作成してオンラインで送信する方法
管轄の法務局は、法務局ホームページの「管轄のご案内」で確認できます。自分が住んでいる場所ではなく、あくまで「不動産の所在地」を管轄する法務局が申請先になる点に注意が必要です。
💬 「自分の住んでいる場所の近くの法務局に出せばいい」と勘違いしてしまう方もいますが、申請先は不動産の所在地を管轄する法務局です。遠方の実家を相続した場合は、郵送またはオンライン申請が現実的な選択肢になります。
提出方法は窓口・郵送・オンラインの3通り。申請先は「不動産の所在地」を管轄する法務局です。
STEP5:登記完了(登記完了証・登記識別情報通知書の交付)
法務局での登記が完了すると、登記所から登記完了証と登記識別情報通知書(登記識別情報を記載した書面)が交付されます。これを受け取ることで、すべての手続きが完了します(同資料、2026年8月11日確認)。
受け取り方法は、登記所の窓口で受け取る方法と、郵送で受け取る方法があります。窓口で受け取る場合は、登記申請書に押印したものと同じ印鑑が必要です。郵送で受け取る場合は、宛名を記載した返信用封筒と郵便切手を、登記申請書とあわせて提出しておく必要があります。登記完了証・登記識別情報通知書の両方を郵送で受け取る場合は「本人限定受取郵便」、登記完了証のみを郵送で受け取る場合は「書留郵便」が使われます。
(遺産分割協議による場合)
3通り登記申請書の提出方法
(窓口・郵送・オンライン)
登記完了証・登記識別情報通知書は再発行・再交付ができません(同資料、2026年8月11日確認)。紛失しないよう、受け取ったら大切に保管しましょう。
登記完了後は登記完了証・登記識別情報通知書が交付されます。窓口受領は印鑑、郵送受領は返信用封筒・切手が必要。いずれも再発行はできません。
相続登記にかかる費用
相続登記の申請には、登録免許税がかかります。土地の価額が少額の場合など、一定の要件を満たせば免税になる措置もありますが、税率や免税措置の要件の詳細は、姉妹記事で解説しています。
あわせて読みたい相続登記に必要な書類|ケース別チェックリストと取り寄せ方相続登記の必要書類を、法定相続・遺産分割協議・遺言の3ケース別に整理。戸籍謄本・住民票・固定資産評価証明書などの取得先と、有効期限の有無を法務局の一次情報に基づいて解説します。
このほか、戸籍謄本や住民票、固定資産評価証明書などの取得費用(自治体ごとの手数料)や、郵送で書類を取り寄せる場合の郵送費もかかります。
登録免許税に加え、戸籍謄本等の取得費用や郵送費もかかります。登録免許税の税率・免税措置の詳細は姉妹記事をご覧ください。
自分でやる?司法書士に頼む?判断基準
ここまでの5ステップは、法務局のホームページに様式・記載例が公開されているため、時間をかけられる方であれば自分で進めることも可能です。
一方で、次のようなケースでは、司法書士に依頼して書類収集から申請まで代行してもらう方法も検討する価値があります。
- 本籍地を何度も転々としており、戸籍謄本の収集だけでもかなりの時間がかかりそうな場合
- 相続人の数が多い、または相続人の中に連絡が取りづらい人がいる場合
- 不動産が複数あり、遺産分割協議の内容が複雑な場合
- 不動産の所在地が遠方で、平日に窓口へ足を運びにくい場合
💬 「途中まで自分でやってみたけれど、戸籍謄本を集めているうちに心が折れてしまった」という声もよく聞きます。無理に最後まで自分だけで抱え込まず、状況が複雑な場合は早めに司法書士へ相談するのも一つの選択肢です。
相続登記の期限は、相続の開始及び所有権の取得を知った日から3年以内で、正当な理由なく申請を怠ると10万円以下の過料の対象になることがあります(法務省|相続登記の申請義務化について、2026年7月18日確認)。義務化の詳しい内容は以下の記事で解説しています。
シンプルなケースは自分での申請も可能ですが、戸籍が複数本籍地にまたがる・相続人が多いなど複雑な場合は司法書士への依頼も検討しましょう。
空き家買取.comの買取査定について
本サイト「空き家買取.com」は、株式会社Triikuが運営しており、空き家・相続物件の直接買取を専門に行っています。
- 宅地建物取引業免許番号:東京都知事(01)第111976号
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(株式会社Triiku 公式サイト|会社概要、2026年8月11日確認)
相続登記の手続きを進めながら、「相続した実家をどうするか決まっていない」という場合は、買取査定のご相談も承っています。登記が完了していない段階でも、まずは物件の状況を伺うことは可能です。
よくある質問
Q1. 相続登記のやり方を教えてください。
遺産分割協議による相続登記は、①戸籍の証明書の取得②遺産分割協議・協議書の作成③登記申請書の作成④登記申請書の提出⑤登記完了、の5ステップで進めます。提出方法は窓口・郵送・オンラインの3通りから選べます。
Q2. 相続登記のオンライン申請のやり方は?
法務省の「登記・供託オンライン申請システム」を使い、登記申請書を作成してオンラインで送信します。窓口や郵送での提出も選択できます。
Q3. 法務局での相続登記のやり方は?
作成した登記申請書と添付書類を、不動産の所在地を管轄する法務局の窓口に持参して提出します。管轄の法務局は法務局ホームページの「管轄のご案内」で確認できます。
Q4. 相続登記の原本還付のやり方は?
登記申請書に添付した書類(戸籍謄本や遺産分割協議書など)の原本は、原本還付の手続きを行うことで手元に戻してもらえます。手続きの詳細は法務局の窓口で確認するのが確実です。
Q5. 土地の相続登記のやり方は?
建物と同じ5ステップで進めます。登記申請書の様式は、法務局のホームページからケース別(法定相続・遺産分割・遺言など)にダウンロードできます。
Q6. 不動産の相続登記のやり方は?
戸籍の証明書の取得から始め、遺産分割協議書の作成、登記申請書の作成・提出を経て、登記完了証・登記識別情報通知書の交付を受けるまでが一連の流れです。
まとめ|まずは戸籍の証明書の取得から
- 相続登記は戸籍の証明書の取得→遺産分割協議書の作成→登記申請書の作成→提出→登記完了の5ステップ
- 登記申請書の提出は窓口・郵送・オンラインの3通り。申請先は不動産の所在地を管轄する法務局
- 登記完了証・登記識別情報通知書は再発行できないため受け取り方法に注意
相続登記は、法務局が示す5つのステップに沿って進めれば、自分で申請することも可能です。ただし、戸籍謄本の収集に時間がかかったり、相続人が多く話し合いがまとまらなかったりするケースでは、司法書士への依頼も現実的な選択肢になります。
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