相続登記に必要な書類|まず結論
「相続登記をしようと思ったけれど、何を集めればいいのか分からない」——相続登記の義務化をきっかけに、こうした声をよく聞くようになりました。
結論からお伝えすると、相続登記の必要書類は、相続の仕方によって3つのケース(法定相続分どおりに相続する場合/遺産分割協議で決めた割合で相続する場合/遺言書に従って相続する場合)で変わります。ただし、どのケースでも共通して必要になる基本書類があります。
共通して必要なのは、被相続人の戸籍謄本一式・相続人の戸籍謄本・住民票・固定資産評価証明書・登記申請書。遺産分割協議の場合はこれに遺産分割協議書と相続人全員の印鑑証明書が加わります。
- 被相続人(亡くなった方)の出生から死亡までの戸籍謄本一式が必須
- 遺産分割協議書に添付する印鑑証明書に「作成後3か月以内」という制約はない
- 法定相続情報一覧図を使うと、以降の相続手続で戸籍謄本一式の提出を省略できる
本記事では、ケース別の必要書類一覧、各書類の取得先、有効期限の有無、法定相続情報一覧図の活用まで、順番に解説します。断りがない限り、本記事の内容は2026年8月時点の制度に基づいています。相続登記そのものの義務化・期限・過料については、以下の記事で詳しく解説しています。
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書類を揃えたあとの申請の進め方は、以下の記事でステップごとに解説しています。
ケース別・相続登記の必要書類一覧表
相続登記の必要書類は、法務局の様式でも「法定相続」「遺産分割」「遺言(公正証書・自筆証書)」「相続人に対する遺贈」といったケース別に申請書様式が分かれています(法務局|不動産登記の申請書様式について、2026年8月11日確認)。代表的な2ケースの必要書類を整理すると、次のとおりです。
| 書類 | 法定相続分どおりに相続 | 遺産分割協議で相続 |
|---|---|---|
| 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本一式 | 必要 | 必要 |
| 相続人全員の戸籍謄本 | 必要 | 必要 |
| 被相続人の住民票の除票(または戸籍の附票) | 必要 | 必要 |
| 不動産を相続する人の住民票 | 必要 | 必要 |
| 固定資産評価証明書 | 必要 | 必要 |
| 遺産分割協議書 | 不要 | 必要 |
| 相続人全員の印鑑証明書 | 不要 | 必要(遺産分割協議を行った相続人分) |
| 登記申請書 | 必要 | 必要 |
遺言書がある場合は、これに加えて遺言書(自筆証書遺言の場合は家庭裁判所の検認済証明書、または法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用している場合はその証明書)が必要になります。遺言の種類によって必要書類が変わるため、詳細は法務局の窓口や司法書士に確認することをおすすめします。
共通の基本書類に加え、遺産分割協議の場合は遺産分割協議書と相続人全員の印鑑証明書が必要です。
必要書類の取得先・取得方法
書類ごとに取得先が異なります。あらかじめ整理しておくと、収集の手間を減らせます。
- 戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍:本籍地の市区町村役場(郵送請求も可能な自治体が多い)
- 住民票・住民票の除票:住所地の市区町村役場
- 固定資産評価証明書:不動産の所在地の市区町村役場(東京23区は都税事務所)。ただし、毎年送付される「固定資産課税明細書」が手元にあれば、それで課税価格を確認できるため、新たに証明書を取得しなくてよい場合がある
- 印鑑証明書:住所地の市区町村役場
- 登記申請書:法務局のホームページからケース別の様式をダウンロードして自分で作成する([法務局|不動産登記の申請書様式について](https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/minji79.html)、2026年8月11日確認)
被相続人の戸籍謄本一式は、「相続が開始したこと(所有者が死亡した事実)」と「法定相続人を特定すること(他に相続人がいないことを証明すること)」の2つの役割を持つ、最も重要な書類です。本籍地を転々としている場合は、複数の市区町村役場に請求する必要があり、収集に時間がかかることがあります(法務局|登記手続ハンドブック(遺産分割協議編)、2026年8月11日確認)。
💬 本籍地が何度も変わっている方の戸籍謄本一式は、市区町村をまたいで請求することになり、思った以上に時間がかかります。相続登記の期限(相続を知った日から3年以内)から逆算して、早めに着手することをおすすめします。
戸籍謄本は本籍地、住民票は住所地、固定資産評価証明書は不動産所在地の市区町村役場で取得します。本籍地が複数ある場合は収集に時間がかかります。
必要書類に有効期限はある?
「せっかく集めた書類が期限切れになっていないか」という不安の声もよく聞きます。この点について、法務局の一次資料で確認できた内容を整理します。
遺産分割協議書に添付する相続人の印鑑証明書について、法務局の登記手続ハンドブックには「この印鑑証明書については、作成後3か月以内のものといった制約はありません」と明記されています(法務局|登記手続ハンドブック(遺産分割協議編)、2026年8月11日確認)。銀行の相続手続などでは印鑑証明書に発行から3か月・6か月以内といった期限を求められることが多いため、相続登記でも同様に期限があると思い込みがちですが、この点は異なります。
一方で、相続人全員の戸籍謄本については、「被相続人(亡くなった方)が死亡した日以後の証明日のもの」が必要とされています(同資料、2026年8月11日確認)。これは有効期限というより、「相続開始後に取得したものであること」という条件です。すでに死亡日より前に取得していた古い戸籍謄本は、この条件を満たさないため、あらためて取り直す必要があります。
💬 「印鑑証明書は3か月以内」という思い込みで慌てて取り直す方がいますが、相続登記に関しては制約がないと明記されています。一方で、相続人の戸籍謄本は死亡日以降に取得したものである必要があるので、そこだけは注意してくださいね。
遺産分割協議書用の印鑑証明書に3か月以内といった制約はありません。相続人の戸籍謄本は、被相続人の死亡日以降に取得したものが必要です。
法定相続情報一覧図を使うと書類収集がラクになる
相続登記だけでなく、預貯金の解約や保険金の請求など、相続に関する手続きは複数の窓口で戸籍謄本一式の提出を求められることがあります。そのたびに戸籍謄本一式を集め直すのは大きな負担です。
こうした負担を軽減する仕組みが「法定相続情報証明制度」です。法務局に戸籍謄本一式と相続関係を一覧にした図(法定相続情報一覧図)を提出すると、法務局がその内容を確認したうえで、認証文付きの写しを無料で交付してくれます。以降の相続登記や各種相続手続では、戸籍謄本一式の代わりにこの一覧図の写しを提出することができます(法務局|登記手続ハンドブック(遺産分割協議編)、2026年8月11日確認)。
複数の金融機関で相続手続を行う予定がある方や、相続人の数が多く戸籍謄本一式のコピー・原本還付のやり取りが煩雑になりそうな方は、早い段階でこの制度の利用を検討するとよいでしょう。
法定相続情報一覧図を取得しておくと、相続登記以外の各種相続手続でも戸籍謄本一式の提出を省略できます。
相続登記の必要書類チェックリスト
ここまでの内容を、実際に書類を集める際のチェックリストとして整理しました。
- 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍(本籍地の市区町村)
- 被相続人の住民票の除票、または戸籍の附票
- 相続人全員の戸籍謄本(相続開始後に取得したもの)
- 不動産を相続する人の住民票
- 固定資産評価証明書(不動産所在地の市区町村)
- 【遺産分割協議の場合】遺産分割協議書
- 【遺産分割協議の場合】相続人全員の印鑑証明書(登記申請人を除く)
- 【遺言がある場合】遺言書(自筆証書遺言は検認済証明書または保管制度の証明書)
- 登記申請書(法務局サイトから様式をダウンロードして作成)
- 登録免許税分の収入印紙(免税措置の対象か事前に確認)
登録免許税は原則として不動産の価額の0.4%ですが、土地の価額が100万円以下の場合など、一定の要件を満たせば免税になる措置があります。詳しくは以下の記事で解説しています。
あわせて読みたい相続登記の義務化とは|期限2027年3月末・過料10万円2024年4月から相続登記が義務化されました。過去に相続した実家も対象で、期限は2027年3月31日。義務の内容・過料の条件・簡易な相続人申告登記・登録免許税の免税措置を、はじめて…
登録免許税の具体的な計算方法・早見表・免税措置の要件は、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
共通書類・遺産分割協議書類・登記申請書までを一覧化しました。免税措置の対象かどうかも事前に確認しておきましょう。
自分で集める?司法書士に頼む?
必要書類は自分で収集し、登記申請書も自分で作成することができます。法務局のホームページには様式・記載例が公開されているため、時間をかけられる方であれば自分で進めることも可能です(法務局|不動産登記の申請書様式について、2026年8月11日確認)。
一方で、本籍地を何度も転々としている、相続人の数が多い、相続人の中に連絡が取りづらい人がいるといった事情がある場合は、書類収集だけでもかなりの時間と手間がかかります。こうしたケースでは、司法書士に依頼して書類収集から申請まで代行してもらう方法もあります。
💬 「自分でやってみたけれど、途中で心が折れてしまった」という相談も少なくありません。無理に自分だけで抱え込まず、状況が複雑な場合は早めに司法書士に相談するのも一つの選択肢です。
シンプルなケースは自分での申請も可能ですが、相続人が多い・本籍地が複数あるなど複雑な場合は司法書士への依頼も検討しましょう。
空き家買取.comの買取査定について
本サイト「空き家買取.com」は、株式会社Triikuが運営しており、空き家・相続物件の直接買取を専門に行っています。
- 宅地建物取引業免許番号:東京都知事(01)第111976号
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(株式会社Triiku 公式サイト|会社概要、2026年8月11日確認)
相続登記の書類集めと並行して、「相続した実家をどうするか決まっていない」「そもそも売却するかどうか迷っている」という場合は、買取査定のご相談も承っています。相続登記が完了していない段階でも、まずは物件の状況を伺うことは可能です。
よくある質問
Q1. 相続登記の必要書類の一覧表はありますか?
法定相続分どおりに相続する場合と、遺産分割協議で相続する場合とで、必要書類が一部異なります。共通する基本書類は、被相続人の戸籍謄本一式・相続人の戸籍謄本・住民票・固定資産評価証明書・登記申請書です。遺産分割協議の場合は、これに遺産分割協議書と相続人全員の印鑑証明書が加わります。
Q2. 相続登記の必要書類に有効期限はありますか?
遺産分割協議書に添付する印鑑証明書には、法務局の資料上「作成後3か月以内」といった制約はないとされています。一方、相続人の戸籍謄本は、被相続人の死亡日以降に取得したものである必要があります。
Q3. 相続登記で法定相続情報一覧図を利用する場合、必要書類はどう変わりますか?
法定相続情報一覧図の写しがあれば、以降の相続登記や各種相続手続で、被相続人・相続人の戸籍謄本一式の提出を省略できます。一覧図自体の取得には、通常どおり戸籍謄本一式を法務局に提出する必要があります。
Q4. 相続登記の必要書類はどこでもらえますか?
戸籍謄本は本籍地の市区町村役場、住民票は住所地の市区町村役場、固定資産評価証明書は不動産所在地の市区町村役場でそれぞれ取得します。登記申請書は法務局のホームページから様式をダウンロードして自分で作成します。
Q5. 相続人が1人の場合、必要書類は少なくなりますか?
相続人が1人の場合は遺産分割協議が発生しないため、遺産分割協議書と相続人全員の印鑑証明書は不要になります。ただし、被相続人の戸籍謄本一式や、相続人自身の戸籍謄本・住民票などの基本書類は、相続人が1人の場合でも必要です。
Q6. 相続登記の必要書類はどうやって取得しますか?
本籍地・住所地・不動産所在地がそれぞれ異なる市区町村役場に、窓口または郵送で請求します。窓口が遠方の場合は、郵送請求に対応しているか事前に各役場のホームページで確認するとスムーズです。
まとめ|まずは戸籍謄本一式の収集から
- 共通の基本書類は戸籍謄本一式・住民票・固定資産評価証明書・登記申請書
- 遺産分割協議の場合は遺産分割協議書・相続人全員の印鑑証明書が追加で必要
- 印鑑証明書に3か月以内という制約はないが、相続人の戸籍謄本は死亡日以降のものが必要
相続登記の必要書類は、相続の仕方によって内容が変わりますが、まず着手すべきは被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本一式の収集です。本籍地が複数にまたがっている場合は、それだけで時間がかかることもあるため、期限(相続を知った日から3年以内)から逆算して早めに動き出すことをおすすめします。
書類集めや申請書の作成に不安がある場合は、司法書士への相談も選択肢です。また、相続した実家の扱いに迷っている段階であれば、登記の完了を待たずに、まず物件の状況を整理するところから始めても構いません。空き家買取.comでは、そうした段階からのご相談も承っています。