空き家処分の方法は7つ|結論から

「相続した実家が空き家のままになっている。そろそろ何とかしたいけれど、何から手をつければいいか分からない」——こうした悩みは、空き家を持つ多くの方に共通しています。

結論からお伝えすると、空き家を処分する方法は大きく分けて7つあります。「売却(仲介)」「買取」「賃貸に出して活用する」「解体して更地にする」「空き家バンクに登録する」「寄付・無償譲渡する」「相続土地国庫帰属制度を使って国に引き取ってもらう」です。どれが正解ということはなく、物件の状態や急いでいるかどうか、費用にかけられる余力によって向き不向きが変わります。

30秒でわかるこの記事の結論

空き家の処分方法は「売却」「買取」「賃貸活用」「解体」「空き家バンク」「寄付」「相続土地国庫帰属制度」の7つ。急いでいるなら買取、時間をかけられるなら仲介や活用も選択肢です。

  • 老朽化して買い手がつきにくい家でも買取なら現況のまま売却できることがある
  • 解体して国に引き取ってもらうという選択肢もある(相続土地国庫帰属制度・建物付きは対象外)
  • 放置を続けると固定資産税が上がるおそれがあり、処分は早いほど負担が軽い

本記事では、空き家を処分すべき理由から、7つの処分方法の比較、費用の目安、使える補助金・税制優遇、売れない場合の対処法まで、順番に解説します。断りがない限り、本記事の内容は2026年8月時点の制度に基づいています。

空き家を放置するとどうなる?処分を急ぐべき理由

空き家は、処分を先延ばしにするほど負担が増えていく資産です。人が住まなくなった家は傷みが早く進み、資産価値も下がっていきます。

さらに、管理が行き届かない状態が続くと、市区町村から「管理不全空家等」や「特定空家等」に指定されるおそれがあります。指導を受けても改善されず「勧告」を受けると、固定資産税を軽減する「住宅用地特例」の対象から外れ、税額が上がることがあります(国土交通省|固定資産税等の住宅用地特例に係る空き家対策上の措置、2026年8月11日確認)。

💬 「まだ大丈夫だろう」と後回しにしているうちに、税負担が増えてしまうケースは少なくありません。処分するかどうかを決めきれなくても、まずは選択肢を知っておくことが第一歩です。

放置リスクの詳しい段階(指導・勧告・命令・行政代執行までの流れ)は、以下の記事で詳しく解説しています。

あわせて読みたい空き家を放置するとどうなる?固定資産税6倍・過料・行政代執行のリスク空き家を放置するとどうなるか、固定資産税が最大6倍になる仕組みと罰則、行政代執行までの流れを段階ごとに解説します。2026年7月時点の制度に基づく内容です。

放置を続けると管理不全空家等・特定空家等に指定され、勧告を受ければ固定資産税が上がるおそれがあります。処分は早いほど負担が軽くなります。

空き家を処分する7つの方法(比較表)

空き家の処分方法を、費用・スピード・向いているケースの観点から整理すると、次の7つに分けられます。

方法 概要 向いているケース
売却(仲介) 不動産会社に買主を探してもらい、市場価格に近い金額で売る 立地がよく、時間をかけて高く売りたい場合
買取 不動産買取業者が直接買い取る。現況のまま・短期間で売却できることが多い 老朽化・再建築不可・共有名義など、仲介では売りにくい場合
賃貸に出して活用する リフォームして賃貸物件として貸し出す 立地がよく、初期費用をかけられる場合
解体して更地にする 建物を取り壊し、土地として売却・活用する 建物の老朽化が激しく、更地のほうが買い手を見つけやすい場合
空き家バンクに登録する 市区町村が運営する空き家情報のマッチングサイトに掲載し、移住希望者などとつなげる 地方の物件で、移住・二拠点居住のニーズがある地域の場合
寄付・無償譲渡する 隣接地の所有者や、引き取り手が見つかった第三者に無償で譲る 売却が難しく、引き取ってくれる相手が見つかった場合
相続土地国庫帰属制度 一定の要件を満たす土地を、国に引き取ってもらう制度(建物がある土地は対象外) 更地にした後、買い手も引き取り手も見つからない場合

それぞれの方法について、もう少し詳しく見ていきましょう。

売却(仲介)と買取の違い

仲介は不動産会社に買主を探してもらう方法で、市場価格に近い金額で売れる可能性がある一方、買い手が見つかるまで数か月〜1年以上かかることもあります。買取は不動産買取業者が直接買主となるため、老朽化した家や再建築不可物件(建て替えができない土地の物件)、共有名義の物件でも、比較的短期間で現金化しやすいのが特徴です。買取価格は、業界メディアが目安として挙げる例では仲介の7〜8割程度とされていますが、これは公式統計ではなく、あくまで目安です(国土交通省|不動産取引に関するお知らせ、2026年7月31日確認。買取価格の目安部分は業界メディアの参考情報)。仲介と買取の違いをさらに詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

あわせて読みたい不動産の買取と仲介の違いを徹底比較|空き家はどちらで売るべき?不動産の買取と仲介の違いを比較表で徹底比較。価格・期間・仲介手数料の仕組みを2026年7月時点の一次情報で解説し、老朽化した空き家はどちらで売るべきか判断材料を紹介します。

空き家バンク・寄付(無償譲渡)という選択肢

空き家バンクは、市区町村が空き家の情報を掲載し、移住希望者や二拠点居住を考えている人などとマッチングする仕組みです。地方の物件で、売却は難しいものの、移住希望者に安く譲る形でなら手放せることがあります。登録の可否や掲載条件は自治体ごとに異なるため、物件のある市区町村の窓口やホームページで確認するのが確実です。

寄付・無償譲渡は、隣接地の所有者など、引き取ってくれる相手が見つかった場合に選べる方法です。ただし、無償であっても名義変更(所有権移転登記)の手続きは必要になるため、司法書士に相談しながら進めるのが安心です。

相続土地国庫帰属制度|国に引き取ってもらう場合の注意点

「売ることも貸すこともできず、引き取り手も見つからない」という土地について、一定の要件を満たせば国に引き取ってもらえる「相続土地国庫帰属制度」という選択肢もあります(令和5年4月27日開始)。相続または相続人への遺贈によって土地を取得した人が対象で、法務大臣の承認を受けたうえで負担金を納付すると、土地の所有権が国庫に帰属します(法務省|相続土地国庫帰属制度の概要、2026年8月11日確認)。

ここで注意したいのが、建物がある土地はそもそも申請できないという点です。国が引き取ることができない土地の要件(却下事由)の一つに「建物がある土地」が明記されており、空き家をこの制度で手放したい場合は、あらかじめ解体して更地にしておく必要があります(同資料、2026年8月11日確認)。

費用面では、申請時に土地一筆当たり14,000円の審査手数料がかかるほか、承認された場合は負担金の納付が必要です。負担金は、宅地の場合は面積にかかわらず原則20万円です(一部の市街地の宅地は面積に応じて算定されます)(同資料、2026年8月11日確認)。審査手数料は、申請を取り下げた場合や却下・不承認となった場合でも返還されない点にも注意が必要です。申請できる人の条件や、引き取ってもらえない土地の条件(却下事由・不承認事由)の詳細は、以下の記事で詳しく解説しています。

あわせて読みたい相続土地国庫帰属制度とは?費用・条件・引き取ってもらえない土地を解説相続した土地を手放して国に引き渡せる「相続土地国庫帰属制度」について、申請できる人・審査手数料と負担金の金額・引き取ってもらえない土地の条件を、法務省の一次情報に基づいて解説します…

14,000円/筆相続土地国庫帰属制度の
審査手数料

20万円宅地の負担金
(原則・面積問わず)

7〜8割程度買取価格の目安
(仲介と比較・業界メディア目安)

💬 「国に引き取ってもらえるなら一番簡単そう」と思われがちですが、建物付きの土地はそのままでは対象外です。解体費用と、審査手数料・負担金を合わせて考える必要があります。

相続土地国庫帰属制度は建物がある土地は対象外。解体して更地にしたうえで、審査手数料14,000円/筆・負担金原則20万円(宅地)を納める必要があります。

空き家処分にかかる費用の目安

処分方法によって、かかる費用の種類が変わります。

仲介で売却する場合は、成約時に仲介手数料がかかります。上限額は、200万円以下の部分が5.5%、200万円超400万円以下の部分が4.4%、400万円超の部分が3.3%(いずれも消費税込)です。低廉な空家等(800万円以下の宅地建物)については、上限30万円(消費税込33万円)とする特例が令和6年7月1日から適用されています(国土交通省|不動産取引に関するお知らせ、2026年7月31日確認)。買取の場合は、不動産会社が直接の買主となるため、この仲介手数料はかかりません。

解体して更地にする場合は、解体費用がかかります。工事費の目安や、自治体の解体補助金の相場・申請の落とし穴については、以下の記事で詳しく解説しています。

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なお、空き家の中に残された家具・家電・衣類などの家財(残置物)を処分する費用については、業者や物量によって差が大きく、本記事で確定的な相場をお示しできる一次資料が確認できていません。家財処分が必要になる場合は、複数の業者から見積もりを取って比較することをおすすめします。遺品整理サービスを利用する際は、契約内容や料金体系をめぐるトラブルも報告されているため、契約前に内容をよく確認しましょう(国民生活センター|遺品整理サービスでの契約トラブル、2026年8月11日確認)。

仲介の手数料上限は200万円以下5.5%・200万円超400万円以下4.4%・400万円超3.3%(消費税込)。買取なら仲介手数料はかかりません。

空き家処分で使える補助金・税制優遇

空き家を処分する際に使える可能性がある制度として、代表的なものが2つあります。

一つは、相続した空き家を売却したときの「3,000万円特別控除」です。一定の要件を満たせば、譲渡所得(売却益)から最大3,000万円を控除できる税制優遇で、期限は2027年12月31日までの譲渡が対象です。制度の詳しい要件は以下の記事で解説しています。

あわせて読みたい空き家の3,000万円控除とは|期限2027年末までを解説相続した空き家を売ったときの譲渡所得3,000万円特別控除(空き家特例)を解説。適用期限2027年12月31日、必要な「被相続人居住用家屋等確認書」、令和6年改正のポイントを紹介し…
もう一つは、市区町村が独自に設けている解体補助金です。国が直接申請を受け付けているわけではなく、窓口は市区町村になります。全国の相場や申請の注意点は、以下の記事にまとめています。

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売却時は3,000万円特別控除、解体時は市区町村の解体補助金が代表的な制度です。どちらも要件・期限があるため早めの確認が必要です。

売れない・処分できない空き家への対処法

「不動産会社に相談したけれど、なかなか買い手がつかない」というケースも珍しくありません。売れない・処分できない空き家への対処法としては、次のようなものがあります。

  • 不動産会社を変えてみる:会社によって得意なエリア・物件タイプが異なるため、複数社に相談してみる
  • 買取を検討する:老朽化・再建築不可・共有名義などが理由で仲介での売却が難しい場合、買取なら現況のまま売却できることがある
  • 解体して更地にする:建物が古く買い手がつきにくい場合、更地にすることで土地としての需要が生まれることがある
  • 空き家バンクへの登録を検討する:地方の物件で、移住希望者などとマッチングできる可能性がある

💬 「うちの空き家は誰も欲しがらないだろう」と諦めてしまう方もいますが、老朽化や再建築不可、共有名義といった理由で仲介での売却が難しい物件でも、買取であれば選択肢になることがあります。まずは査定だけでも受けてみることをおすすめします。

売れない場合は、不動産会社を変える・買取を検討する・解体する・空き家バンクに登録するなどの選択肢があります。

相続放棄すれば処分しなくていい?よくある誤解

「面倒な空き家は相続放棄すれば関係なくなる」と考える方もいますが、これは誤解を招きやすいポイントです。

2023年(令和5年)4月に施行された改正民法第940条により、相続放棄をした人の管理責任(保存義務)は、「放棄の時点でその財産を現に占有している場合」に限って残ります。被相続人と同居していた、空き家の鍵を管理して自由に出入りできる状態にあった、といったケースが「現に占有している」に当たり、この場合は他の相続人や相続財産の清算人に引き渡すまでの間、保存義務を負うことになります(民法第940条の条文解説、2026年7月31日確認)。

つまり、相続放棄をしても、状況によっては空き家の管理義務から完全には解放されないことがあります。相続放棄や管理責任の詳しい内容については、以下の記事もあわせてご覧ください。

あわせて読みたい空き家の管理はどうする?自分でやる方法・費用相場と業者選び空き家の管理はどうするか、自分で管理する方法とチェックリスト、費用相場、空き家管理サービスの選び方までまとめて解説します。2026年7月時点の制度に基づく内容です。

相続放棄をしても、放棄時点で空き家を占有していた場合は保存義務が残ることがあります。「放棄すれば無関係」とは限りません。

空き家買取.comの買取査定について

本サイト「空き家買取.com」は、株式会社Triikuが運営しており、空き家・相続物件の直接買取を専門に行っています。

  • 宅地建物取引業免許番号:東京都知事(01)第111976号
  • 所在地:〒105-0003 東京都港区西新橋2丁目39番3号 SVAX西新橋ビル4F
  • 電話番号:03-6845-0996(受付時間 10:00〜19:00、年中無休)

株式会社Triiku 公式サイト|会社概要、2026年8月11日確認)

運営する株式会社Triikuの公式サイトによると、契約から平均約1ヶ月で着金という実績が公開されています(株式会社Triiku 空き家買取事業ページ、2026年8月11日確認)。「どの処分方法が自分に合うか分からない」「まずは今の価値を知りたい」という場合は、買取査定のご相談も承っています。

よくある質問

Q1. 空き家の処分費用はいくらですか?

処分方法によって異なります。仲介で売却する場合は成約時に仲介手数料(上限は物件価格に応じて段階的に設定)、解体する場合は解体費用がかかります。買取の場合は仲介手数料がかかりません。家財の処分費用は業者・物量により差が大きく、複数業者からの見積もり比較をおすすめします。

Q2. 売れない空き家の処分方法はありますか?

不動産会社を変えてみる、買取を検討する、解体して更地にする、空き家バンクに登録するといった方法があります。老朽化・再建築不可・共有名義などが理由で仲介での売却が難しい物件でも、買取なら現況のまま売却できることがあります。

Q3. 空き家を処分するにはどうすればいいですか?

まずは物件の状態(老朽化の程度、立地、権利関係)を整理したうえで、売却・買取・賃貸活用・解体・空き家バンク・寄付・相続土地国庫帰属制度の中から、費用と手間のバランスが合う方法を選びます。迷う場合は、不動産会社や買取業者に査定を依頼して判断材料にするのも一つの方法です。

Q4. 空き家の処分に使える補助金制度はありますか?

売却時に使える「3,000万円特別控除」(税制優遇)と、解体時に市区町村が独自に設ける「解体補助金」が代表的です。どちらも要件・期限があるため、早めに詳細記事や自治体窓口で確認することをおすすめします。

Q5. 空き家を処分する時の税金はどうなりますか?

売却によって利益(譲渡所得)が出た場合は、所得税・住民税がかかることがあります。相続した空き家の場合、要件を満たせば3,000万円特別控除が使える可能性があります。詳しくは空き家の3,000万円控除とはをご覧ください。

Q6. 空き家を処分しない理由には何がありますか?

「手続きが面倒」「実家への思い入れがある」「何から手をつければよいか分からない」といった理由で先送りにされるケースが多く見られます。ただし、放置を続けると管理不全空家等・特定空家等に指定され、税負担が増えるおそれがあるため、早めに選択肢を整理することをおすすめします。

Q7. 相続土地国庫帰属制度で空き家をそのまま国に引き取ってもらえますか?

いいえ。建物がある土地は、相続土地国庫帰属制度の対象外(却下事由)です。この制度を利用する場合は、あらかじめ建物を解体して更地にしておく必要があります。

まとめ|まずは自分の物件に合う方法を知ることから

この記事の要点

  • 処分方法は売却・買取・賃貸活用・解体・空き家バンク・寄付・相続土地国庫帰属制度の7つ
  • 相続土地国庫帰属制度は建物がある土地は対象外。解体費用+審査手数料14,000円/筆+負担金原則20万円がかかる
  • 売れない場合も買取なら現況のまま売却できることがある

空き家の処分方法は一つではありません。物件の状態や立地、かけられる費用と時間によって、向いている方法は変わってきます。老朽化していて仲介では売りにくい、相続人が複数いて話し合いがまとまらない、といった事情がある場合でも、買取という選択肢があることを知っておくと、処分の見通しが立てやすくなります。

まずは、自分の物件がどの方法に向いているのかを整理するところから始めてみましょう。空き家買取.comでは、老朽化した空き家や、再建築不可物件、共有名義の物件についても、無料の査定を承っています。